スタッフnoriの遺品整理体験談

やったからこそ、わかること

家を一軒片付けるという事が、どのくらいの労力で、どのくらい時間がかかるのか。それを身を以て知っているのが私スタッフのnoriです。

今でこそすごいスピードで仕事として片付作業を行っていますが、体験した当時はまだこの会社で働く前であり、全くの「片付け素人」でした。これは、そんなだいぶ前のお話となります。

義母が亡くなり、数年後義父も亡くなって住む人のいなくなった実家。主人には妹がいますが遠方に住んでいて、我が家も持ち家のため実家を手放そうという話になった葬儀の後。売るにも解体するにも、まず中を空っぽにしなければいけません。季節は冬。寒い時期でしたが、春まで待つというわけにもいきません。

「私がやるか‥」

当時は遺品整理という言葉すら一般的ではなく、自分で片付けるのが普通だと思っていました。

こうして札幌の寒い寒い1月、遺品整理がスタートしました。

ゴミ収集がまだ無料だった時代

私が遺品整理を経験したのは、まだゴミが有料化されていない時のことでした。なので毎日実家に通ってはその日収集する種類のゴミを袋につめて出せるだけ出し、収集車が来た後は、明日の収集に備えてまたゴミをひたすら袋に詰めるという作業をしていました。

今はあらかじめ予約をして、シールを購入して貼ってから出す大型ごみも、当時は無料でした!なので大型ごみの日には運べるものをどんどん並べたためにゴミステーションはすごいことに‥それでも家の中にはまだまだ物がいっぱい。

当時主人は仕事が忙しく、他に手伝ってくれるのは私の母のみ。ほぼ二人で平日は毎日のように片付けに通って午前中いっぱい作業し家具は知り合いの大工さんが壊して木材を受け入れしてくれる所へ運んでくれました。

ストーブ、ベッドなど貰ってくれる人が現れ、次々取りに来てくれました。少しずつですが、家財は減っているように思いました。

それでも、結局3か月以上かかりました。

なぜ時間がかかったのか?

どうしてこんなに時間がかかったのでしょう?あらためて今分析してみると‥

  • 分別に慣れていなかった → 何がどのごみなのか、どうやって捨てられるものなのか。いちいち悩み、考えていると作業が進みません。
  • 捨てるかどうかの判断に迷いがち → 自分の物も捨てるのに迷いますが、主人の家族のものとなると「勝手に捨ててはいけない」ような気がしていちいち確認をとったり、後で聞いてから判断したり。特に困ったのが写真や学校の文集関係、成績表などなど。「ひな人形出てきたけどどうする?」とか「これは形見にとっておく?」とか、かなり義妹に電話をかけていました。
  • 全て中身を確認してしまう → 書類を一つ一つ見て確認したり、「これはいるのか?」と悩んだり。そんな行動の一つ一つが片付けのスピードを妨げ、作業を送らせていました。結局、悩んで自分の家に持ち帰ったものもけっこうありました。

捨てきれず、家に持ち帰ってしばらく保管していたもの

  • 写真 立派な台紙付きの冠婚葬祭の写真からスナップ写真まで、たくさんあったため一度持ち帰って保管。数年後必要なものだけ選んでから、残りをお焚き上げに出しました。
  • 葬儀関係のもの 葬儀の時の名簿や台帳、香典袋の束などなんとなく捨てられずに保管。これも数年保管したのちお焚き上げに出しました。
  • 手帳・身の回りの物 連絡先が書かれた手帳、よく使っていたカバンなど。これはいまだに保管してあります。
  • 子供たちの成績表・作文など これは一応とっておいて、みんなが集まった時にワイワイ言いながら当時の成績を発表しました。でも誰も必要ないとのことで、この後処分しました。

1階、2階、物置、畑‥いたるところに散らばる物をチョコチョコと片付けているうちに毎日あっという間にタイムアップ。寒い中、母にも相当頑張ってもらいました。

当時小さな子供がいて仕事をしていなかったこと。実家が歩いて5分くらいの場所にあったこと。遺品整理を自分でできたのは、この二つが揃っていたからだと思います。働いている人や、遠方に住んでいる人には通うこと自体がかなり難しいと思います。小さな家でしたが、一軒家の家財の量は半端ではないとその時実感しました。

そして春がくる頃。最後に家族で仏壇をなんとか家まで運び終えて片付けは終了。以降売買手続きに入り、全てが終了したのは夏頃の話でした。今は新しい家族が家を建てて住んでいます。

今、振り返って思うこと

現在はスタッフとして遺品整理業を行なっている私。今は当時の何倍のスピードで片付け作業をしています。何ヶ月もかかって片付けた一軒家も、今は半日で作業を終えます(もちろん多数のスタッフで作業する場合ですが)。でもそれは、分別するのに迷う必要がないからなのだと思います。親しい間柄ほど、家族ほど、悩んで、迷って、なかなか進まないんだろうなあと。

だからこそ「人に頼む方が悩まなくていいかなあ。もし、自分の息子が結婚したら、お嫁さんにこの大変な作業を頼むのは気がひけるなあ」と、個人的な意見として思います。あとできることとしては、できる限り元気なうちに荷物を減らしておくことでしょうか。

遺品整理は端的に言ってしまえば「手間と時間をかけるか」「お金をかけて依頼するか」のどちらかです。もし自分でやるなら最後まで、そして人に頼むなら最初からお願いする方がいいと思います。残された親族の皆さんの心理的負担にならないよう、話し合ってみてはいかがでしょうか。

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運営会社:株式会社プリモ

札幌市で25年以上にわたり水道設備および住宅メンテナンスの仕事を手掛けている会社です。2020年、法人化して10期を迎えました。メインの水道設備業に加え、お客様のいろいろなリクエストにお応えするかたちで生まれた便利屋業と遺品整理サービスもご提供しています。長くに渡り培ってきたネットワークで、住宅に関わることから不動産までさまざまなアドバイスができるのが自慢です。 常駐スタッフは人間が3人、ネコ社員二匹。その他各分野のプロが家の悩みを解決します。

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