遺品整理は自分でできる?
「遺品整理は自分でできるか?」
その答えは「やれば、できます!」です。
ただ、時間と手間を覚悟すれば、です。
家族が亡くなった後、遺品整理を人に頼まないで自分でやりたい。そう思う方も多いことでしょう。実はこの文章を書いている私が、遺品整理を自分でやった経験者です。その経験をふまえ、遺品整理を自分で行うにはどうすればよいか、その手順と方法についてお話いたします。参考になれば幸いです。
注:これは札幌市で遺品整理を行う方法となります。廃棄物の受け入れ条件などは地域によって違いがありますので各自治体のHP等をご確認ください。
1.まずは家財を分類し、処分方法に合わせて片付
- 家具類
- 家電製品
- 衣類
- 書類
- 家庭用品
- 食器
- 雑貨
- 食品
家財はざっとこんな風に分類されます。そしてこれを処分する方法をそれぞれ記したのがこちらです。ゴミ袋に入れて市の収集に出せるものも結構ありますね。(食品、食器以外は清掃工場への持ち込み等もできます)
- 家具類→市の大型ごみ収集(事前申し込み後シール購入、家の前に搬出)
- 家電製品→小さな家電は燃やせないゴミ、その他家電は種類ごとに処分
- 衣類→燃やせるゴミ、またはリサイクル
- 書類→雑紙として市の収集に出す
- 家庭用品→燃やせるゴミ、燃やせないゴミに分別して市の収集へ
- 食器→燃やせないゴミ
- 雑貨→素材によって燃やせるゴミ、燃やせないゴミに分別
- 食品→燃やせるゴミ
ちなみに、札幌市の指定ごみ袋の金額は、
- 5リットル → 1枚あたり10円
- 10リットル → 1枚あたり20円
- 20リットル → 1枚あたり40円
- 40リットル → 1枚あたり80円
となっています。一番大きな40リットルの袋であれば、100個捨てるのに8000円かかる計算となります。
※家電リサイクル法に指定されている4品目(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン)は市で収集を行っていないため、次の方法で処分することが必要です。
- 回収協力店に取りに来てもらう
- 自分で回収拠点に持っていく
このどちらかを選んで処分を依頼することとなります。もし自分で持っていく場合は、事前に郵便局備え付けの家電リサイクル券に必要事項を記入し、リサイクル料金を振込してから持っていくことが必要となります。
頼んで回収してもらう場合は、どこに頼んだ場合でもそれぞれの「家電リサイクル料」と「収集運搬代金」、「事務手数料」などがかかります。
買取ってもらえそうな物は見てもらおう
リサイクルショップとオークションをやっていた当社(今はオークションのみ)でも、出張買取にいくと驚かれることがあります。「えっ、こんなものが売れるの!?」とよく言われます。「こんな古いもの、いっぱいあったけどこの間捨てちゃったわ」と聞くととても残念に思います。捨てる前に呼んでいただければ…
なので、先に見てもらうことをおすすめします。少しでも値がついたら、物は減るしお金ももらえるし、一石二鳥です!
2.もらってくれる人を探す
ご近所の方に声をかけてみるのもいいでしょう。故人のお友達や、親しかった方に形見としてもらってもらうのもいいかもしれません。少しでも、誰かが引き継いで使ってくれれば亡くなった人も嬉しいんじゃないか、と思います。
また、自分にとっては必要ないものでも、誰かにとっては欲しいものであることもあります。「ジモティー」などのアプリに登録して、家具や家電などの写真を撮り、サイズ等を明記してもらい手を探してみるという手もあります。
3.残ったものを片づける
上記の方法で片づけきれなかったものを処分しましょう。まずは「自分で持ち込む」のか、「取りに来てもらうのか」を決めましょう。
・「自分で持ち込む」のは、札幌市の清掃工場です。ここへ荷物を運び入れ、処分してもらうのが「自己搬入」です。
家財を積み込むには大きな車が必要です。なので効率よく行うならトラックをレンタルしてそこに積み込み、清掃工場へ持っていき、指定の場所で降ろします。入口と出口で計量し、その重量に応じて金額が決まるので現金で支払います。
・「取りに来てもらう」場合は、「一般財団法人札幌市環境事業公社」に申し込みをし、予約日に家の外に全ての家財を運び出しておくと収集に来てくれます。ちなみに時間の指定はできず、立ち会った上でその後現金で支払いというシステムになっています。
ここで、「持ち込む場合」も「取りに来てもらう場合」も、気を付けなければならないのが収集できないものがあるということ。
- 家電4品目(冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機、エアコン、テレビ)
- 家庭用パソコン(3Rメーカー製のもの)
- オートバイ、自動車、タイヤ、バッテリー
- 廃油、塗料の入ったままの容器
- 消火器
- ホームタンク、ドラム缶、プロパンガスボンベ
- ピアノ
- 農薬などの化学薬品
- 注射針
- 家庭用耐火金庫
- 最大の辺または径が2mを超えるもの
- 体積が2㎥を超えるもの
- 重量が100kgを超えるもの
以上のものは対象外となるため、個別に処分してくれるところを探さないといけないので注意が必要です。
やっていくうちに、「これはどうやって捨てればいいんだろう?」と手が止まる事があると思います。そんなときは検索あるのみ!
最終的にどうにもならない物が出てくるかもしれません。そうなった時は、いよいよ片付けを依頼しなければならないかもしれませんね。
最後に
家一軒を片付けるというのは、本当に大変な仕事です。何しろ、家族の歴史が詰まっているのですから‥近頃は「断捨離」ブームで終活として家を片付けている方もいますが、一方で高齢の方の中には「物がいっぱいあるのが幸せ」という価値観の方も多くいらっしゃいます。まだ親御さんが元気なうちから、一緒に片付けられたら、コミュニケーションにもなっていいのではないでしょうか。